県立千葉東高校

2023年入試結果 (Vもぎ偏差値 A67 B65 C63)

志願者429名 受験者428名 合格者320名 実質倍率1.34倍 (前年 1.64倍)

入試が1回になったことによる上位校敬遠で倍率を下げた2021年に対し
22年は志願者が約100名増加し、1.64倍と1番手校らしい倍率となりましたが
23年は再び100名減少して、1番手校としては不本意な倍率に戻っています
 

一般入試・前期選抜における6年間の志願者数と実質倍率の推移

2018年 701名 3.18倍 (1クラス定員増)
2019年 612名 3.15倍
2020年 518名 2.68倍 この年まで前期・後期
2021年 428名 1.32倍 この年から一般入試
2022年 529名 1.64倍
2023年 429名 1.34倍

2018年まで7年連続の1クラス定員増の募集でしたが、19年から本来の8クラスに戻っています
上の数字を見ればわかりますが、18年をピークに毎年100名近く志願者数が減少を続けていました
22年は一旦戻ったものの、23年には再び100名の減少に転じています
今後の人気がどうなっていくのか成り行きが気になるところです
 

選抜の方法

2023年入試より学校設定検査が「思考力を問う問題」になっています

学力検査 500点 + 内申 135点×0.5 + 思考力を問う問題 100点 = 667.5点満点

対策しにくい作文から、普通の試験問題である思考力を問う問題に変更になることは
歓迎する受験生も少なくないのではと思いましたが、現実には敬遠した生徒も多かったようです

2020年まで内申は0.4倍でしたが、Kの値が0.5~2になったため0.5倍に変わりました
結果的に県千葉や県船橋と同じ配点になってしまい
独自性が出せなくなったと、千葉東の担当者は地団駄踏んでいるかもしれません
(上にも書いたように、千葉東はアピールしないと生徒が集まりにくいのです)

内申点0.5倍なので、内申にハンデがあっても試験に自信があれば挑戦する価値はあるでしょう
ただし、共通問題で450点近い高得点を取るには相当な学習量が必要です
能力勝負ではなく、努力勝負であることを認識してコツコツと努力を積み重ねていきましょう

2023年から学校設定検査が「思考力を問う問題」になりました
県作成の国数英3教科まとめて60分、100点満点の試験です
まだ実施2年で、試験のバランスは改善の余地があると思います (実施校もまだ増えそうですし)
過去問は参考程度に取り組んでおけばよいでしょう
(レベルや問題量などは変わるかもしれないということです)


過去5年間の入試でのボーダーライン (かまなびさん+さくら進学クリニック調べ)
2022年以降はかまなびさんのデータも使わせていただいています

前期は内申×0.4+学力検査 (約554点満点、内申0.4倍のため得点は0.2点刻みです)
後期は内申+学力検査 (約635点満点) の得点
21年と22年は内申×0.5+学力検査 (567.5点満点、内申0.5倍のため得点は0.5点刻みです)
23年は内申×0.5+学力検査+思考力問題 (667.5点満点)

2018年 前期 481.4点~483.6点 後期 544点以下
2019年 前期 478.0点~480.8点 後期 544点~551点
2020年 前期 439.4点~448.6点 後期 540点以下
2021年 475.5点以下(これは実際の合格最低点にかなり近いと思われます)
2022年 462.5点~465点
2023年 512点以下

このボーダーラインは読者から提供された得点開示情報から出したものです
この情報が参考になったという方は
次の受験生のために、受験終了後に得点を開示して情報の提供をお願いします

内申点の目安 120点前後 (3年間の合計点)
 

さくらの主観

千葉東は昭和16年に千葉市立千葉高等女学校として開校しています(その後、25年に県立に移管)
県立の上位校としては「市立」と「女学校」という二重のハンデを持って誕生した学校です
そんな昔のことなんて何の関係があるのと言われそうですが、なんとなくですが県は「市立・私立より県立」を「女学校・実業学校より旧制中学校」を優遇する傾向があるように感じます

実際、かつて千葉東は全日制・普通科だけでなく看護科や通信制まで背負わされていました
通信制については同校の沿革に「千葉一高(県千葉)、千葉二高(千葉女子)から統合移管」とあります(2校から押しつけられた形?)
(現在は看護科は幕張総合に、通信制は千葉大宮に移管)

校内の設備を見ても、県千葉には講堂や図書館、記念館(美術館)があり、千葉女子には文化ホールがあるのに、千葉東は普通の県立高校そのものです
校地面積も千葉女子が46,617㎡なのに対し、千葉東は33,594㎡と4分の3です(県千葉のHPには面積が載っていませんでしたが、もっと広いでしょう)
偏差値は学区No.2でも、県立千葉三高の名のとおり千葉市内で3番目の序列という印象は否めません
(千葉女子は女学校ですが、県で最初の高等女学校ということで県からは別格の優遇をされている感じがします)
実際に通っている生徒はどう思っているかわかりませんが、様々な面で県に(上位校のわりに)冷遇されていることを感じるかもしれません

さくら進学クリニックでは千葉東は1番手校に分類していますが、学区トップ校ではありません
上位層がごっそり県千葉に持って行かれているので、偏差値のわりに東大や一橋大・東工大といった難関大の実績は出にくい傾向にあります

さらに言えば、千葉東には頑張れば県千葉も選べるのに、あえて千葉東を選んでいる生徒がいます
そこには「自分はせいぜいこの程度のレベルだ」という妙な値踏みがあるのではないでしょうか
頭は悪くないし、コツコツ努力もできる、でも特に東大を目指そうとは思わないし、地元国立大に行ければ十分かな、という後ろ向きの自己分析ができている気がするのです
そういう上昇志向の弱さが、大学受験の実績にも影響しているのではないかと思います

そういったことは学校側も十分承知していて危機感があるので、公立上位校の中では最も指示が出る学校だとも言えます
進学指導重点校は積極的に受験指導をしたい先生が希望して異動できるので、そうやって来た先生が多くいそうです
真面目で勉強が嫌いでなく、先生の指示通り勉強することに抵抗がなければ、結果を出せる高校だと思います
(実際には、笛を吹いてもなかなか踊ってくれないのが現実でしょうけど、成果を出すってそう簡単なことではないのです)

 

>>県立千葉東高校 公式ホームページ


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