県立船橋高校 (普通科)

2023年入試結果 (Vもぎ偏差値 A69 B67 C65)

志願者569名 受験者556名 合格者320名 実質倍率1.74倍 (前年倍率1.77倍)

相変わらず人気は高く、今年も普通科2位の高倍率入試となりました
倍率1位の東葛飾は定員6クラスなので、実質的な人気No.1は県船橋だといってよいでしょう
 

一般入試・前期選抜における5年間の志願者数と実質倍率の推移

2019年 631名 3.27倍 (1クラス定員増)
2020年 650名 3.39倍 (1クラス定員増) この年まで前期・後期
2021年 563名 1.71倍 (1クラス定員増) この年から一般入試
2022年 587名 1.77倍 (1クラス定員増)
2023年 569名 1.74倍 (1クラス定員増)

県船橋・普通科は10年連続の1クラス定員増 (8クラス・320名) です
定員は倍率に直結するので、2024年も継続するのか気になるところです

追記:2024年も普通科は1クラス定員増(8クラス)のままです

2021年に入試が1回になって以来、志願者は600名に届かなくなっています
前期・後期の頃は前期にチャレンジ層 (記念受験層といってもよい) がいましたが
その分が初めから減っているためだと思われます
残っている生徒は実力相応層なので、数だけ見て楽になっているとは思わない方がよいでしょう
 

選抜の方法

学力検査 500点 + 内申 135点×0.5 + 作文 10点 = 577.5点満点

内申点が0.5倍になるので、試験に自信があれば挑戦してみる価値はあるでしょう
ただし、共通問題で450点近い高得点を取るには相当な学習量が必要です
能力勝負ではなく、努力勝負であることを認識してコツコツと努力を積み重ねていきましょう

学校設定検査は作文で、配点は10点です
字数と内容で評価基準を「満たしている」と「満たしていない」の2段階しかありません
満たしている以上の評価はないので、どんなに素晴らしい作文を書いてもプラスにはなりません
決して「作文の試験があるなら練習しておかないと」などと考えないように
そんなヒマがあるなら、学力検査で1問でも多く正解できるよう受験勉強を頑張りましょう

また、評価者2名とも「満たしていない」になると審議の対象になるため
内容については、あまり「満たしていない」にはならないと思ってよいでしょう
(字数が不足していたらどうしようもありませんが)
実際には、ほとんどの受験生が10点もらっているのではないでしょうか

学校設定検査で気になるのは、一昨年に県千葉で始まった「思考力を問う問題」です
昨年は東葛飾と千葉東が新たに採用したので、次は県船橋の番となってもおかしくありません
県教委が上位校全体に広げたいと思っているなら (きっと思っているでしょう)
学校設定検査の内容が発表になるのは、例年夏休み前ごろなので気にしておくとよいでしょう

追記:2024年入試も学校設定検査は作文です、思考力問題の採用はありませんでした
 

過去5年間の入試でのボーダーライン (かまなびさん+さくら進学クリニック調べ)
2022年以降はかまなびさんのデータも使わせていただいています

前期は内申×0.5+学力検査 (約567.5点満点、内申0.5倍のため得点は0.5点刻みです)
後期は内申+学力検査 (約635点満点)
2021年以降は内申×0.5+学力検査 (567.5点満点)

2019年 前期 493.5点か494点  後期 566点以下
2020年 前期 482点~483.5点  後期 551点~554点
2021年 485点
2022年 473点~474.5点
2023年 468点~469.5点

このボーダーラインは読者から提供された得点開示情報から出したものです
この情報が参考になったという方は
次の受験生のために、受験終了後に得点を開示して情報の提供をお願いします
 

内申点の目安 120点以上 (3年間の合計点)
 

さくらの主観

県船橋は今でこそ東大も狙える進学校になりましたが、ほんの10年ほど前までは別物の高校でした
10年前の進学コラム  316.県立船橋高校の進路実績 には2011年~2013年の大学合格実績が掲載されています
国立の難関大学である東京大・一橋大・東京工業大の2011年~2013年の合格者数は以下のようです
2011年 東大 3 一橋大 6 東工大 9 合計18名
2012年 東大 4 一橋大13 東工大 4 合計21名
2013年 東大 9 一橋大 5 東工大 5 合計19名
ほとんどが一桁で、これが県を代表する進学校なのかという寂しい合格実績です

ところが10年後、ここ3年(2021~2023年)の合格者数を見ると
2021年 東大14 一橋大15 東工大 9 合計38名
2022年 東大11 一橋大21 東工大19 合計51名
2023年 東大12 一橋大27 東工大16 合計55名
東大はコンスタントに10名を超え、一橋大・東工大も全国上位に入る合格者数です(2023年の一橋大は全国1位)
千葉大の合格者数は2013年54名→2023年56名とほとんど変わっていないので、千葉大より上位の生徒が増えたということです
県船橋は市川と並んでめざましい実力アップを成し遂げた高校といえるでしょう

ところで、なぜ県船橋はこれほどまでに実力アップしたのでしょうか
県船橋は学区トップ校なので受験者層は毎年ほとんど変わりません、入学者のレベルが上がったとは考えにくいでしょう
ということは、入学後の学習指導・進路指導の結果ということなのでしょうか
ただ、市川のような私立高校なら大学受験を意識した授業に変えていくとか、受験指導に有利なクラス編成をするとか、できることがいろいろあるでしょう
しかし県船橋は公立高校です、先生は公務員なのでなかなか今までのやり方を変えてはくれません
校長が「やれ」と言っても、「はいそうですか」と授業内容を変えてくれはしないのです(校長先生に雇われているわけではありませんから)
しかも、定期的に人事異動があるので、受験指導の中心的存在だった先生が数年で異動してしまったりするのです
公立学校では、言葉で言うほど学校を変えることは簡単ではないはずです

県内最初の旧制中学である県千葉や、初めから県立で創設された東葛飾と違い、県船橋は私立学校として創設されています
その後、市立を経て、ほどなく県立に移管され、現在の県立船橋高校となっています
その歴史のせいか、県からは県千葉や東葛飾より1段格下に見られているような印象があり、県の意向が通りやすい(言うことを聞かされている)高校という感じがします(あくまでも私の主観です)
県の意向が通るので、独自色の強い県千葉や東葛飾に比べて、普通の高校っぽさが目立ちます
(最近の子は目立つより普通さを好む傾向にあるので、今の中学生には受けのよい学校かもしれません)

大学受験に積極的で、県の意向を聞いてくれる先生を県船橋に集めて、県主導で大学合格実績の向上を目指せば結果を出せるのではないか
言うことを聞いてくれない県千葉にテコ入れするくらいなら、県船橋に注力した方が結果を出せるのではないか
そんな意志が県にあったのかもしれません(あくまでも私の想像です)
まあ、実際に結果が出ているのですから、これを主導した人が県教委にいるとしたら優秀な方だと思います(県にいるなんてもったいない人材です)
県が主導して大学実績が上がるなら、うちもお願いしたいと考える高校があってもおかしくないでしょう
第2第3の県船橋はもうどこかで生まれかかっているかもしれません(あくまで私の主観ですって)

 

>>県立船橋高校 公式ホームページ
 

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